芸術家にとって「好きなことを仕事に」はなかなか酷だ

フリーランス

「好きなことを仕事にすること」

それは芸術にはなかなか当てはめられない言葉だと実感しています。

私はインディーズでバンド活動をしています。
YOUTUBEに制作したものをアップしていますが、映像も一つの作品だと捉えているので広告はつけていません。

もしどちらかのレーベルからお誘いがあったとしても、自分たちのレーベルで活動していきたいと持っています。
なぜなら作品には納得のいくまで向き合いたいと思っているからです。

もちろん作ったもので得る報酬は嬉しいものです。
ただ、契約で起こりうる締切や、宣伝をしてもらった恩や、スタッフを抱えることによるプレッシャーに悩みながら作品を作りたいと思えないからです。

これは音楽だけではなく、好きなことが神聖に感じるほど好きな場合、仕事にはしにくいのではないかと考えています。

好きすぎて仕事にできない

音楽が好きな人が好きなことを仕事にする場合、楽器の先生という選択肢もあるでしょうが、全ての楽器経験者が出来ることではありません。
人に教えるにはまた違う資質が必要です。

パソコンが得意なのでBGM制作やカラオケ制作にも関わっていたこともありましたが、好きじゃない音楽を聴いたり、音楽が関わっている割り切った作業をする事はとてもストレスがかかる事だと実感しました。

音楽制作会社で働いていた時、音楽活動は全く進んでいませんでした。
理由ははっきりとはわかりません。ただ単に私の怠慢だったのかもしれません。

音楽の仕事が続かず、なんとなく好きだったファッション関係のアルバイトを始めたところ、仕事に対するストレスも軽減し、音楽制作にも取り組めるようになりました。

芸術家は日々が制作活動

やっと続けられそうな仕事が見つかった、と思ってもまだ問題がありました。

音楽活動というのは曲作りや演奏している時だけが活動なのではありません。
特にレコーディング前の頭の中は常に歌詞のことや曲のことで頭がいっぱいです。

ファッション関係のアルバイトをしていた頃、バイト仲間に「暇でしょ?」と飲みに誘われたのですが、確かに時間は空いていても考えたいことは山積みなので楽しむことができません。

「いつなら空いてるの?」という言葉も、具体的にいつ終わるというものがないので困る言葉でした。
さすがに断り続けるのも悪いし…と誘いを受けることもありました。
年頃の女性の話題は彼氏や結婚のことばかりで、私としても正直不安要素ではあったのでそこを刺激されて惑わされることが度々ありました。

心を鬼にして孤高に働き続けるという選択もあるかもしれません。
場の空気を乱すようなことは、私にはできませんでした。

芸術家にとってのフリーランスという選択

その後に始めたライターやデータ入力の仕事は、学ぶことが多く楽しいと感じました。
パソコンやタイピングは好きというよりは得意な分野で、気楽に取り組むことができるものでした。

在宅ワークでは人に変な気を使わなくてもいいところが魅力です。
活動の時間も取りやすいです。
自己管理能力が必要ですが、自分なりに締め切りや仕事する曜日を決めるようになってからはだんだんとペースもできてきています。

収入は大幅に減りますが、アルバイトを辞めて完全フリーランスになったことは音楽活動にはとてもプラスだったと感じます。

働き方に悩んでいる芸術家の方へ

心を鬼にできずに芸術活動がしにくいとお悩みの方にはフリーランスをおすすめしたいです。

業務委託でも個人事業でも、自分で時間を決められる仕事の中で、得意で苦にならない仕事を見つけるのが一番良いと思います。

人間関係は、本業の芸術活動で築いていけばいいのです。
時間を作って思いっきり制作活動にうちこみましょう。

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